幸せはシャンソニア劇場から

  • 私のベスト10に入る映画。見る度に幸せな気分に浸れる大好きな映画です。
  • 入れ子状の演出、タメの美学
    • そもそも映画館という劇場でかかる映画のテーマが劇場ということ自体、入れ子になってます。カーテンが2重の意味になりますね。こういうところに面白さを感じてしまう。作品も大枠、ある種の悲劇的な枠がまず提示され、その中で劇場にまつわる登場人物の人生が展開されます。見終わった後にはこの映画、ミュージカル映画という印象を持つのですが、見直すとそれほどミュージカルシーンは多くない。色んなことがあって、ためてためて、一気に花開くミュージカルシーンなので、すごく印象に残るのでしょう。
  • お気に入り、ミュージカルシーン
    • タメにタメたのちのミュージカルシーンに入る直前のリトルジョジョのシーンは毎回泣けます。その後、怒濤のミュージカルシーン。ミュージカルはこうでなくちゃという感じの良い出来です。いくつかのナンバーが展開するのですが、どれも名曲。そして「海へ」。すごく楽しいです。劇場という枠をはずした演出。これもいい感じにはまってます。そして、その演出が、オマージュというよりもはやパロディかと思うくらいのベタなアメリカミュージカル映画の演出です(皮肉としてではなく、なんか、ほほえましい感じ)。エンディングは、再び劇場に戻ってきますが、先のオマジュ全開で、わくわくします。
  • 通底するやさしさ
    • 決して、ハッピーハッピーな映画ではないです。時代的にも国粋主義、労働運動なんかも絡んできますし、ヒールも登場しますし、主役は経済的な状況から子どもとことも会うことができません(ただ、これが、またタメとなって、あるシーンがすごく感動的になりますが)。でも、全体的にすごくやさしく、あたたかい雰囲気を感じます。
  • 登場人物も魅力的。
    • 私のバイアスかも知れないけど、フランス舞台の映画には、中年の丸顔の禿げたおじさんがよく登場して、大抵この風貌の人はいい人です(笑)。そして、私は大好き。この映画の主人公もそういう人。主人公を軸とする通底するテーマは父親の子どもへの愛情です。
    • ヒロインはこの映画がデビュー作らしいのですが、なかなか堂に入った感じ。もちろん、すごくかわいい女優さんです。
    • ものまね王子とよばれる主要人物がいますが、これも味のあるキャラクターです。下手なものまねでは客をつかめないのですが、ものまねをすて、自分の声で演じるシーンのナンバー、わくわくします。心理学的にも象徴的なエピソード。
    • ヒールも渋い。とにかく渋い。
  • ログ
    • 090922(火)#B@シネスイッチ銀座
      • 本当は「プール」をみにいくつもりでシネスイッチにいったのに、少し早く上演するのとなんとなく直感的にいいかもと思い、こっちをみました。正解でしたね。この映画、すごくよかったです。ミュージカルはこう出なくちゃという感じの良い出来です。笑いあり涙ありの(この表現はやや薄っぺらくなりますが)感動の映画です。関係ないけど、私がこういうミュージカルが好きなのは、感覚を言葉にするのが苦手な自分に感じに名前を付けて感じさせてくからかなと思ったり。
    • 100428(水)#A@DVD
      • 最近レンタル中心でめっきりDVDを買わなくなったのですが、このDVDだけは押さえました。リトルジョジョのシーンはやっぱり泣けますねえ。物まね王子が物まねを捨て、自分の声で演じるシーンのナンバーもわくわくします。そして「海へ」でしょう。すごく楽しいです。通底するテーマは父親の子どもへの愛情というのも私がはまる1つの要因かも知れません。
    • 110105(水)#A@DVD
      • 論文が終了したのでこの映画がみたくなりました。通しでみたのは久々です。何度みても感動します。
    • 161221(水)#A@DVD
      • 誕生日にみました。幸せな気分に浸れる大好きな映画です。
    • 171028(土)#A@DVD
      • 何度みても感動。全体構造についての工夫に気づいた。
    • 180704(水)#A@DVD
      • 故あってプロジェクターの大画面で全編通し視聴。ギャラピア親愛王の怪演が光る。もちろんみんないいんだけどね。他にも若い人何人かと視聴しましたが、葬儀シーンのジャケのジャケットをみんなが着ているシーンが感動ポイントだったみたい。食堂の亭主がグットくるというなかなか通な御人も。グレイテスト・ショーマンとの近似性の指摘も。要考察。
    • 191221(土)@DVD
      • やっぱりいい映画。誕生日記念の再視聴。