銀河鉄道999 GALAXY OPERA
- 劇場版999の舞台です。びっくりしたのですが、かなりの長丁場なのに、ヘビーメルダーを離れるところで終わり。かなりの尻切れトンボ感。だから、続編があったのですね。
- 一応、ミュージカルなのですが、その割には曲は少ない。ストレートプレイに歌が入ったものという感じ。曲もあまり頭に残らない。ミュージカルはやっぱり1,2曲はみおわった後に、メロディが残る曲がほしい。
- こういう作品は原作を見た人がターゲットでこれで999を初めてみる人はターゲットではないのでしょうか?スタートレックとかのシリーズものやこの作品のようにリメイクものではいつも感じる。もともとのストーリー知ってて初めて理解できるという既存のファンサービスもいいけど、それが多すぎると初見の人には難解な印象を与えます。999を知る人間としては、映画版では出てこない星のエピソードがインサートされているあたりはちょっと面白かったけど、火星のエピソードが最初でしょと突っ込んでしまいました。
- そういうあたりもたんなる劇場版999のミュージカル化ではないという気概を感じますが、ストーリーの理解を難しくしているのが若き日の松本零士を登場させたこと。私はすぐにこれは松本先生の九州から旅立ちだと理解できましたが、これは松本先生のことをそれなりに知らないとわからないと思います。この松本先生の描写は999のストーリーと並行して描かれるので、理解をちょっと難しくしています。そして、この並行世界をどのように回収するのかという視点でずっとみていたら、松本先生がトチローになってしまいました。確かにトチローは松本先生の分身的な風貌だし、先生もそのように思って描いていたかもしれません。しかし、その必然性はこの舞台から感じられず、なんかずっこけ感だけが残ってしまいました。
- 舞台装置は割とシンプルです。機関車は出てきません。うーん、残念。
- キャストに関しては、メーテル役の人は私的にはだめだったなあ。、メーテルじゃない感がずっとあった。メーテルが失感情症的に描かれてます。その設定に忠実に演じていたのであればあのような演じ方は役者さんのせいではないですが... あれはないわ。
- その一方で、アンタレスはよかった。アンタレスの存在感をしっかりもった演じ方だった。後のキャストはいいたいことはあるけどまあ許容範囲かと思います。
- 劇場版999のミュージカル化ではないという気概でちょっとぐっときたのは、機械伯爵の心情。リューズが代弁しますが、もしこのような背景があれば、伯爵にも多少なりとも感情移入できるなあと。鉄郎が「機械の体を手に入れる」から「限りある命を精一杯生きる」という態度変容についても映画よりもしっかり描写しようとしていますが、こっちはしっかり描くことで難解になった印象。
- 時間城崩壊で止まった時間が動き出すという比喩は私の999理解を深めてくれた感じがします。ここはグット。
- 続編みると少し印象が変わるかな?
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