選挙

  • 浮き彫りになっているのは、政策ではなく、挨拶回りの仕方、印象を持ってもらう演説の仕方などなどの選挙のノウハウです。しかし、このあたりが選挙の要なのでしょう。
  • 候補者が後援会の人に怒鳴られたり、幼稚園の運動会で子どもを前に保護者相手の演説をしたり、奥さんの呼び方を家内より妻の方がいいよねと話していたのに、講演会の人が選挙では家内であって妻はおかしいとたしなめられたり、奥さんは奥さんで仕事やめるように言われて憤慨したり、選挙事務所での支援者たちの雑談、などなど、見所満載。
  • 日本の選挙制度の奇妙さを描いているのは言わずもがなですが、個人的に思ったのは自民党の後援会も結構機能的な組織で結束力もあること(実情は知らないが宗教やイデオロギーでつながっているいくつかの党と同じくらい機能的で結束力のある組織だと思います。いわゆる縁故が自民党の結束原理なんだなあと改めて思いました。しかもこれが田舎でなく川崎という結構な都市部でもそうなのだから、田舎はもっとすごいでしょうね)。
  • 最後、かろうじて当選しますが、次はどうなるのだろうと思って検索したら、「選挙2」なる続編?も。これはみないと。
  • 山さんの応答はつんのめりで人の話を聞いてないような感じがしますねえ。事務所のおじさんに怒られるシーンがあるのですが、あのしゃべり方は怒りを引き出しそうな感じ。街宣車での演説シーンで先輩の議員が山さんにプロンプト出しているのが山さんのしろうとさを如実に描いていてよかったです。その後だったかな、鉄道雑誌を見ているシーンがなんか哀愁あってよいです。
  • この映画、自民党の許可も出演者の許可も取っているので、現職議員や後援会の人も出てます。しかし、出来上がったものをみておこられたりしないのかなと妙に心配しています。実際、おこっているようです。でも、この映像は実際におこっていることなので、とられて文句をいうのは脇が甘いですねえ。
  • 御輿のシーンの山さんの違和感や最後に主人公がいないことなど、ことごとく象徴的。
  • ログ
    • 070721(土)@KBCシネマ
      • 映画館で観ました。DVDでの上映ということ。なんだかiMovieで作れそうな感じ。海外向けに字幕がついているのですが、「この日本語が英語ではこういうのか』といった発見もあり、結構楽しめました。ドキュメンタリー映画は好きなので見慣れているのですが、選挙カーで町を巡るシーンは名前を連呼するだけだからちょっと単調で、長く感じました。それ以外のシーンはなかなか面白いですよ(候補者が後援会の人に怒鳴られたり、幼稚園の運動会で子どもを前に保護者相手の演説をしたり、奥さんの呼び方を家内より妻の方がいいよねと話していたのに、講演会の人が選挙では家内であって妻はおかしいとたしなめられたり、奥さんは奥さんで仕事やめるように言われて憤慨したり、選挙事務所での支援者たちの雑談、などなど)。この映画はいろいろなところで言われている通り、日本の選挙制度の奇妙さを描いているのは言わずもがなですが、個人的に思ったのは自民党の後援会も結構機能的な組織で結束力もあること(実情は知らないが宗教やイデオロギーでつながっているいくつかの党と同じくらい機能的で結束力のある組織だと思います。いわゆる縁故が自民党の結束原理なんだなあと改めて思いました。しかもこれが田舎でなく川崎という結構な都市部でもそうなのだから、田舎はもっとすごいでしょうね)。最後、かろうじて当選しますが、次はどうなるのだろうと思って検索したら、この1期で市議会議員は辞めるようです。なんとなくそんな気はしましたが...。しかし、この映画、何人か現職議員も出てるし、おそらく後援会の人と思われる人たちも出てるのですが、おこられたりしないのかなと妙に心配しています(と思ったら、やっぱり支援者の人たち、おこっているようです。以下、石田やすひろ氏のページから引用)。

平成19年6月14日(木)ドキュメンタリー映画「選挙・キャンペーン」について

今、ワイドショー等で話題になっている、前川崎市議会議員の山内和彦さん出演のドキュメンタリー映画「選挙」を渋谷で観てきました。この映画は、川崎市宮前区で行われた補欠選挙で政治に無縁の人物が候補者となり、支援者にしかられながらも悪戦苦闘の末、当選するまでを描いた、一人の政治家が誕生するまでの人間模様を撮影した作品です。

この作品は、ベルリン映画祭に招待されるなど世界から関心が寄せられているとのことです。私がみるかぎり、日本式の選挙方法と、日本人の持つアイデンティティーが凝縮された特異性に、外国の方からみればおもしろくとらえられたのではないかと思いました。私の知っている方々が多数出ていましたが、せっかく支援したのに裏切り行為だと怒っている方も少なくありません。もう少し全体的に配慮がほしかったです。しかし、議員志望や選挙に興味のある方は必見だと思いました。

    • 081030(木) @DVD
      • DVDになったので久々の視聴です。山さんの応答はつんのめりで人の話を聞いてないような感じがしますねえ。事務所のおじさんに怒られるシーンがあるのですが、あのしゃべり方は怒りを引き出しそうな感じ。その後だったか、鉄道雑誌を見ているシーンがなんか哀愁あってよいです。後印象的なシーンは街宣車での演説シーンで先輩の議員が山さんにプロンプト出しているのが山さんのしろうとさを如実に描いていてよかったです。あと、ある意味象徴的な映像が随所にあるなあと再評価。御輿のシーンの山さんの違和感や最後に主人公がいないことなど、ことごとく象徴的。なお、この映画、自民党の許可も出演者の許可も取っているといるらしく、それはある意味、彼らの懐の深さかもと思ったり。実際起きていることなのだから許可しないのも変だけどね。この後の議員としての山さんの(短い)活躍も是非観てみたい(と思ったらちゃっかり新書に出してます)。関係ないけど、「ぎいん」の入力を「ぎいいん」と間違え、変換が「偽委員」となる。意味深な変換(笑)。
    • 171015(日)@DVD
      • ドキュメント映画祭りの一環というのと、巷は選挙活動で盛り上がっているので久々に。浮き彫りになっているのは、政策ではなく、挨拶回り、印象を持ってもらう演説の仕方、妻の呼称は「家内」とするなど、選挙のノウハウです。しかし、このあたりが選挙の要なのでしょうね。この映画の舞台が丁度小泉自民党の頃、今は安倍自民党。妙な相似形に少し肌寒さも。