ローマ法王の休日
- 120727(金)#B 久々のKBCシネマ。今では福岡の単館系はここだけになってしまっています。ところで皆さんは、コンクラーベについてご存知ですか。ローマ法王を決める会議のことです。まさに根競べ。この映画はそのコンクラーベのシーンから始まりますが、「みんな法王にはなりたくない」。これが笑えます。「主よ、私は選ばれませんように」と祈ってます（笑）。結局決まった人もプレッシャーに耐えかねて遁走してしまいます（しかし、これ、心情的にはすごくわかります。法王って重責でしょう。上昇志向が相当ない限り、無理からぬ気がします）。みにいったのは、この設定の面白さに興味が惹かれてなのですが、実際にみると意外と心理ネタが多く、そっちが結構楽しめました。法王のカウンセリングを分析医がしたり、性欲や無意識については聞いてはいけないことになっていたり（おそらく教義と精神分析は相容れないものなのでしょう）、それだけでなく、名前を聞いてもいけないし、生育歴も聞いてはいけない。分析医が信者かどうかをすごく気にしています。カウンセリングのシーンなのに何故か司祭たちが取り囲んで面接場面をみていたり、司祭たちに分析医が、向精神薬の飲み合わせについて講義したりなどなど。結末もある意味素直で、心理ネタとしては、自己一致した発言ではありましたが、映画としてはもう少しハッピーエンドで終わりたかったなぁと思います。あの発言の後、他の司祭が失望するのではなく、法王を周りが支えるという展開だと、あの発言を生かしつつそれなりのエンディングを迎えることができたのではないでしょうか。そこが残念でした。とはいえいろんな意味でコメディーとして楽しめる映画です。@KBCシネマ
